夜間渡御の際に取り付けられる提灯。これには様々なこだわりがあります。
神輿四面に2段に取り付けられる弓張提灯は、戦後上溝夏祭りの更なる活性化を図るべく上溝商店街での夜間渡御を始めた際、消防団用の弓張提灯をそのまま転用して取り付けられるようになったのが始まりと言われています。万灯神輿に似た姿となり神輿は明るく照らされますが、神輿そのものを隠してしまうことにもなるわけで、始まった当初から賛否両論言われ続けてきました。しかし現在では全ての町会で定着し、上溝夏祭りの神輿渡御の大きな特徴の一つとなっています。
五部会の神輿に取り付けられる弓張提灯は『上溝 い組』。「い組」とは、我々上溝五部会のルーツである「相模原市消防団 第一分団第五部」の愛称。つまり、前述した「戦後に提灯を取り付け始めた当初の消防団用の弓張提灯の転用」を現在でも継続し、『い組』の提灯にこだわり続けてきたわけです。
そんなこだわりのある提灯ですが、本年は初めて『上溝 い組』以外の提灯を取り付けての渡御となりました。祭礼前の打合せでは全会一致で取り付けが決まり、囃子保存会の賛同も得て山車にも取り付けました。本年の上溝夏祭りは、本当に色々な考えが駆け巡った祭礼となりました。