神輿改修 最終視察


神輿改修の竣功まであと2週間となりました。浅草に輸送したのが昨年7月の祭禮翌日。あれよあれよという間に神輿が綺麗になって帰ってくる・・・時の流れって本当に早いものです。

本日、改修状況の最後の視察に浅草 宮本卯之助商店にお邪魔してきました。今回は、改修された神輿の「ココを見て!!」という部分を紹介します。

160522_choukoku_kan
堂 西側 大型彫刻(鳳凰)

このブログで2回ほど紹介している、堂西側 鳳凰の古式彫刻。既に再組立てが始まった堂に収まっていました。改修を受ける度に金箔・下地漆が塗り重ねられ、彫刻の彫に部分が埋まってしまい造形・陰影がかなり甘くなっていましたが、今回は下地漆を完全に剥離して傷んでいた箇所の修復を行い、再び下地漆・金箔押直しがなされ、本来の彫刻の造形・陰影がよみがえりキレのある仕上がりになりました(→改修前と比べてみてください)。また、瞳もしっかり入れられたほか、朱漆のアクセントも入れられ、印象が変わっています。
堂回りの彫刻は全て同じ修繕がなされていますので、竣功行事の際には是非じっくりと観察していただきたいと思っています。

160522_daiwa
台輪

神輿の基礎部分である台輪のクローズアップです。天板は何層にも塗り重ねられた漆がどこまでも平らに鏡の如く磨き込まれていて、掛け値無く美しいのですが、注目は天板と側板が接合する角の部分。切れ味鋭い直角となっています。この直角をどれだけ綺麗に描けるか、漆職人の腕の見せどころなんだそうです。

160522_keshouhimo
化粧紐(クローズアップ)

最後に、今回新調の化粧紐。五部會伝統の水浅葱(水色)ですが、網掛けタイプに変更されます。宮本殿では水浅葱の網掛けは金茶色が標準となっていますが、他の地区の神輿で水浅葱+金茶網掛けを見ると金茶が目立ち過ぎてしまい、遠目で見ると緑っぽく見えたりして水浅葱の鮮やかさが失われてしまう・・・。ということで、網掛けの色は大改修実行委と宮本殿で数多くのサンプルを並べて何べんも打合せ・検討が行われ、最終的に水浅葱の近似色の網をかけることになりました。
果たしてどんな仕上がりになるのか? 期待と不安が交錯していましたが、出来上った現物は・・・ 関係者一同 Very Good!!の評価。宮本殿には糸の染に随分こだわっていただき、大変満足いく仕上がりになりました。

画像ではその色彩がうまく出ないため、ここではクローズアップの画像をアップしますが、改修なった神輿に掛けられた姿を想像しただけで・・・・・・・『超こだわりの化粧紐』にも是非注目して頂ければと思います。